●食物繊維様の働き
レジスタントスターチは、水溶性・不溶性、両方の食物繊維様の働きを併せもつでん粉で、人の胃や小腸で分解されず大腸に到達する難消化性でん粉です。
●RSと食物繊維の生理的特性の比較
レジスタントスターチ(RS)はでん粉でありながら、水溶性・不溶性、両方の食物繊維様の働きを併せもちます。レジスタントスターチと食物繊維の生理的特性を比較すると、レジスタントスターチの優位性が分かります。
Frontier of Luminacoides Research: T. Hayakawa, T. Oku Kenpakkusha 2010 p233-245
●糞便量の変化
低レジスタント食と高レジスタント食の糞便量を比較すると、高レジスタント食が2倍以上も糞便量が多くなっています。レジスタントスターチは、糞便量を増加させます。
JP Phillips, JG Muir, A Birkett, ZXLu, GP Jones, KO Dea and GP Young Author Affiliations、School of Nutrition and Public Health, Deakin University, Malvern, Australia. データー詳細はこちら
●バナナGI値の変化
青バナナは低GI食品(約8割でん粉)
黄バナナは中GI食品(約8割糖分)
●55以下の食品・・・・・・・・・低GI食品
●55〜70の間の食品・・・・ 中GI食品
●70以上の食品・・・・・・・・・高GI食品
●血糖値・インスリンの変化
レジスタントスターチは、糖の反応をおだやかにし、インスリン反応を抑制します。
Source: Resistant starch: the effect on postprandial glycemia, hormonal response, and satiety Anne Raben, Arne Astrup et al., Am J Clin Nutr 1994;60:544-51 データー詳細はこちら
レジスタントスターチは腸内の短鎖脂肪酸を増加させ脂肪の取り込みを抑え、エネルギー代謝を高めます。
又、満腹感を持続させ過食を防ぎます。高レジスタント食(RS食)は食品摂取量を15%低減した報告もあります。
●体重とBMIの変化
高レジスタントスターチ食を摂取したグループの体重減少が見られました。
高レジスタントスターチ食を摂取したグループのBMIの減少が見られました。
Jorge L., Ble-Castillo et al., Universidad Juarez Autonoma, Mexico Feb. 17, 2010 データー詳細はこちら
●BMIと肥満の関係
BMIとは、身長の2乗に対する体重の比で体格を表す指数。
BMI=体重kg/(身長m)2 |
例えば、身長160cm ①体重50kgの人 ②体重60kgの人 その場合のBMIを計算してみましょう。
50 ÷(1.60×1.60)=19.53125 60 ÷(1.60×1.60)=23.4375
BMI指数は、①体重50kg約19.5 ②体重60kg約23.4 普通体重の判定になります。
BMI22が、標準体重で統計上、病気になりにくいとされる体重です。
BMI35以上が「高度肥満」と定義されました。BMI25を超えると「肥満」と判定されます。生活習慣病にかかりやすいとされています。
BMI | 判 定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 肥満 | 肥満(4度) |
日本肥満学会 2011年9月 |
●プレバイオティクス
・難消化性でん粉
・腸の栄養源になる
●pHと短鎖脂肪酸の変化
理想的な腸内環境は、弱酸性です。
レジスタントスターチは、短鎖脂肪酸を産生し、腸内のpHを低下させます。
短鎖脂肪酸ができると弱酸性の腸内環境になります。弱酸性の腸内では悪玉菌が減り、善玉菌が多くなり、腸内環境が良好に保たれます。
JP Phillips, JG Muir, A Birkett, ZXLu, GP Jones, KO Dea and GP Young Author Affiliations、School of Nutrition and Public Health, Deakin University, Malvern, Australia. データー詳細はこちら
●各短鎖脂肪酸の増加率
レジスタントスターチは、酪酸や各短鎖脂肪酸を増加させます。
酪酸は腸壁細胞の栄養源となり大腸粘膜を元気にして、大腸の健康をサポートします。
JP Phillips, JG Muir, A Birkett, ZXLu, GP Jones, KO Dea and GP Young Author Affiliations、School of Nutrition and Public Health, Deakin University, Malvern, Australia. データー詳細はこちら
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